太陽に恋をした
ホントにいつも思うことなんだけど……拓真はバスケバカだ。
プロになれなかったら、体育教師になって、バスケ部の顧問をするなんて言ってるんだもん。
拓真の成績では、教師になれるとは思えないんだけどなぁ。
今が高校生だったら、数学と英語の点数は確実に赤点なのに……それでよく教師になりたいって言えるなぁって思うんだけど……。
私は今でも毎朝、拓真の朝練に付き合ってる。
だって……朝練の時が拓真と二人で過ごせる至福の時だから。
佐野さんは男バスのマネージャーでも、さすがに朝練に顔を出すことはしない。
朝練だけが誰にも邪魔されない、2人だけの唯一の時間だから。
そう思ってるのは、私だけなんだけど……。
拓真には、そんな気持ちなんて……あるはずが無い。
私が拓真と話していると、佐野さんにいつも邪魔される。
拓真とは、別に付き合ってる訳じゃないから、邪魔するのは彼女の自由なんだけど……。
佐野さんは、絶対に私の気持ちに気付いているはず……いつも、私を睨み付けてくるから。
まだ、ハッキリとライバル宣言されてないけど……
私は分かりやすい性格らしいから、佐野さんは私をライバル視しているに違いない。
『菜月は拓真のこと、好きなんだろう』
去年……この台詞を何人から言われたっけ。
『あいつは、ハッキリ言わないと分かんない奴だよ』
この台詞も何度、言われたことか……。
私と拓真が隣の席だから、佐野さんは席替えを強く希望している。
でも……席替えは2学期にならないと行われない。
たとえ席替えしても佐野さんが、拓真の隣になれる確率は低いだろうけど。
きっと……拓真の隣が私だってことが、気に入らないんだろうな。
もし立場が逆なら、私たちだって同じ気持ちになる。
拓真は人のことはに関しては敏感な時が稀にあるけど……自分のことに関してはかなり鈍感。
私は、何度か拓真が告白される姿を目撃した。
拓真がどんな答えを出すか分からないから、私は最後まで盗み聞きする勇気なんてない。
いつも途中で、勝手な妄想してその場から立ち去る。
そして、拓真に彼女が出来たかも……そう思って泣きそうになってしまう。
『菜月……何かあったか?目が赤いぞ。まるで一晩中泣き腫らしたみたいに見えるだけど、大丈夫か?』