君を傷つけたのが僕だとしても・・・
俺はもう菅谷さんに
何も言い返さなかった。
いや、返せなかった。

俺の言ってることは、
まるであの時の自分に
言ってるみたいだったから。


そうだ、伊織を傷つけたのは
俺自身なんだ。

なんであの時、
やさしくしてやれなかったんだ・・・

俺は菅谷さんに言ってるんじゃない、
自分に言ってるんだ。


「くそっ・・・」


俺はアスファルトを
何度も殴った。


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