lacrimosa







「わかっ、…た。

わかったよ、アンジェロ…」



(…私、ちゃんと、やるから)



「アンジェロがそうしてほしいなら、そうっ、グスっ、…そう、するから…」


アンジェロが本当に天国に行きたいのかどうか、サーシャにはわからない。

けれど、嗚咽を堪えながら必死にそう言った。

一番悲しくて、辛くて、怖いはずのアンジェロが涙の向こうで微笑んでいる。



(…私も、強くなら…なきゃ)



アンジェロが笑ってほしいと望んでいる。



(…笑わ、なきゃ)



サーシャはぐしゃぐしゃの顔を拭ってにっこりと、精一杯に歪な笑顔をみせた。

それを見て柔らかに微笑むアンジェロの表情は慈愛に満ちていて。

神様が何と仰ろうと、彼こそが正真正銘本物の天使なのだと、サーシャは思った。



(…みてたい)



見ていたい、ずっとその笑顔を。














―――アンジェロ、










< 51 / 155 >

この作品をシェア

pagetop