lacrimosa
天国に行ったら、アンジェロは幸せに過ごせるだろうか。
そこには、彼が死なせてしまった友達もいるのだろうか。
そこでは人間も天使も、みんなが共存しているのだろうか。
―――いつかまた、アンジェロに出逢えるだろうか
(…アンジェロ、)
(…アンジェロ、)
震える手のひらで確かに柔らかな最期の羽毛の感触を確かめながら、
大量に溢れてしまう涙を必死で堪え、血が滲むまでに唇を噛み締めながら、
サーシャは二度と訪れることのないこの時―――この一瞬
―――別れの時を実感していた
1秒、1秒が鉛のように重く感じる。私が「ソレ」を行う瞬間までのカウントダウンが始まっている。
揺れるブロンドも、アンジェロの微笑みも、開いた窓の外の雪降る夜空も…
泣きはらしてぐちゃぐちゃの頭の中で、スローモーションのように流れる。
(…アンジェ、ロ)
その映像の中でただひとつ暖かく柔らかな、アンジェロの青い瞳。