鬼に愛された女
「美月。鬼には一人一人特殊能力があることを教えただろ?だがら美月にも特殊能力はあるんだ。多分、美月の力は幻術」
美しく舞い散る花びらを美月の前で掴まえてみせるが、花びらはすり抜けていく
「そなたはこの木を見て、桜が咲いている様子を思い浮かべなかったか?」
「たしかに思い浮かべました。ですが、それがわたくしの力とは考えられません」
「なら、咲いていなかった木のことを思い出してみて?」
そう言うと、神威は美月の目を自分の手で覆う
咲いていなかった木
たしか、どこか寂しい感じの……
頭の中で思い浮かべてみると、神威は静かに手を離した
「目、あけてごらん」