shining☆moon‐私の王子様‐
「女王様…」
『はい』
「あの…」
確かめたい。
フレンが私をどんな風に想っているのか、どんな目で私を見ているのか、私はフレンの瞳の中に映っているのかを。
「…えっと」
少し、怖い気もする。
だってフレンの本当の気持ちがわかってしまうかもしれないから。
もし“好き”だったら、どんなにいいだろうか。
“嫌い”そんな選択肢の想いは存在する。
だけど、怖がってちゃ何も始まらない。
そうだよ。
私が一歩前進しなきゃ。
「女王様、フレンの気持ちが知りたいです」
私は真剣な眼差しを女王様に向けた。
『そうねぇ…』
女王様は迷っている様子。
聞きたい。
けど聞きたくない。
怖くない。
けど物凄く不安で怖い。
色んな私が混じり会う。
でも、これが私。
フレンを想う私。
決して、考える答えが違うとしてもこれは全て私の心。
私自身なんだよね。
「女王…様?」
女王様は目を細くして優しく微笑んだ。
私に近づき、私の胸に手を当てた。
『ユリア、人の気持ちは誰かに確かめてもらうことではないわ』
「え…?」
『…フレンの気持ちは自分で本人に聞いた方がフレンにとっても、喜ばしい事よ。人に聞いてもらったら意味がないのよ。自分で聞いてこそ、相手の気持ち、表情、愛情が初めてわかるのよ』
「フレンの…愛情」
フレンは私に愛情を注いでいる?
どんな気持ちを秘めているの?
…私、フレンのこと、全て知ってるって思ってた。
だけど、違っていた。
私はまだ何も知らなかった。
フレンの感情、私に対する想い。
肝心な事を忘れていたんだ。
私が聞かなきゃ。
フレンの気持ち、確かめなきゃ。
「私、フレンと話してみます」
『そうね』
「ありがとうございました。女王様」
私は目を閉じた。
夢から覚めて、フレンに私に対する想い、聞かなきゃ。
『ユリア』
女王様の言葉に私は目を閉じたまま耳をかたむけた。
『私はあなたの母ですよ』
私は笑った。
「知ってる」