shining☆moon‐私の王子様‐
~~フレン.said~~
――「さようなら」――
何度も、何度も、何度も頭のなかで巻き戻しされてまた再生される。
どうゆう意味なんだよ…。
なんだよ、さようならって…。
暗い林の中。
俺はセヴィアの軍隊に捕獲されたまま林をどんどん進んでいく。
ユリアの姿はもう見えない。
「ユリア…」
本当に、本当によかったのだろうか。
ユリアをルイスに戦わせて。
俺は近くにいるクロードを睨んだ。
クロードは何考えてやがる……。
ユリアのお願いなんかあっさり受け入れるなんて。
止めようと思わないのかよ。
「…おいフレン、口に出てるぞ」
「は?…心の声じゃねーの?」
「…嫌、完璧出てたよ。ね?レオ」
レオは深くうなずいた。
「うっさいなー…」
俺はむすっとなる。
―――「さようなら」―――
「……ッ~」
また再生されたユリアの声。
さようならって?
なんで、どうしてさようならなわけ?
もう会えないのかよ。
ふざけたこというなよ。
ぶらついている手に拳を作る。
……ふざけんなよ。
俺の気持ちは悲しみと怒りが混ざって複雑な感情が生まれる。
ユリア。
どうしてさようならなんか言うんだよ。
理由を教えろよ…。
……お願いだから…。
…もう……もう嫌なんだよ………。
こんな思いをするのは…。
…本当に“会えない”って、思っちゃうじゃん……。
一粒の熱い涙が頬を伝った。
「……フレン」
クロードは切なそうに俺を呼ぶ。
「フレン、お前の気持ちもわかる……けど…」
「けどなんだよ」
「…けど」
クロードは震えた声で言う言葉をつまらせる。
するとレオが俺の胸ぐらを掴んだ。
「ねぇ、フレン」
「何…」
レオは下を向いていた。
俺を掴むセヴィアの軍隊は止まった。
「…お前…、ホントに自分の事ばっか…!!!」
……え…?
レオはうつむいていた顔を上げた。
「…ちょっとはユリアの気持ちも考えて見ろよ!!!」
「…え」
俺の胸ぐらを掴むレオの手が震えた。
ユリアの…気持ち。
「……ユリアがどんな気持ちで言ったんだか…ユリアは…ユリアは…」
レオは手を離して地面に膝をつけた。
レオ……。
レオの目には確かに涙が溜まっていた。
そしてぼろぼろと溢しながら言った。
「……ユリアは……ッ…ユリアはフレンが好きだからだよッ…!!!」