先生とあたしの子育て〜愛する家族〜

結婚の条件

【佳菜】



近所の産婦人科。



「二宮佳菜さん。中にどうぞ」

「は、はい」

「俺はここにいるから…」

「うん」

私は診察室に入る。



「こんにちは、医師の山本(やまもと)です。」

３０代くらいの女性の医師。

「今日はどうしました？」

「あ、赤ちゃんがいるかもしれないんです…」

「じゃあ、診察をしてみましょう」

診察台に上がって、エコーでお腹の中を見る。

「ああ…いたわ」

医師は画面を指で指して私に見せてくれた。

「これが…赤ちゃんですか？」

「ええ、そうよ、今…３ヶ月に入ったところね」



…これの小さいのが赤ちゃん。



理人と私の子どもが…



確かに私のお腹の中で生きてる。




「今日、彼氏さんは来てる？」

「はい」

「じゃあ、呼んでもらえる？一緒に話をしょう」

「はい」

診察台から下りて、理人を呼ぶ。

「失礼します…」

「座ってください」

理人は私の横に座る。

「おめでとうございます。３ヶ月に入ったところですよ」

「ありがとうございます！！」

「一応、説明をしておきます。お子さんを望までない場合は中絶手術もできます。産んでも『育てられなかった』というケースもありますし…特に二宮さんのような未成年の出産は高齢出産と同じようにリスクも非常に高いです」

「「……」」


…医師が言っている意味は、わかる。



でも…



私たちは心を決めていた。




「中絶はしません！！」

「産みます！！」

理人と私はそう言い切った。

「そうですか。じゃあ…改めて、おめでとうございます♪来月も来てくださいね」

「「はい、ありがとうございます！！」」

私たちは笑顔で医師に頭を下げて診察室を出た。