君桜


学さんに案内されて、バスルームに直接行かされる。



バスタオルと紙袋を渡されて、バスルームを出ていく。



学さんの背中が急に遠くなる気がして。






…待って…






その言葉を途中で飲み込んだ。



学さんが出ていったあと、あたしは服を脱いで、シャワーを浴びる。



あたしの腰まである髪が、お湯に濡れて重くなる。



別に髪の量が多いわけでもないのに、異様に重い。



ポカポカになった身体をバスタオルで拭いて、紙袋の中をのぞく。



…絶句。



着替えが入ってる。



用意周到。



< 31 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop