[百合]円還恋心



お待たせ。サンドイッチ、好きだよね?


そう問いかけてみせれば、彼女は小さく頷いた。


やっぱり、ボクの記憶は合っていた。


皿を彼女に差し出すと、彼女はゆっくりながらもそれを受け取った。



まだ寝ぼけてるみたいだね。

でも、そんなところが好きだよ。



なんて言うのは気恥ずかしくて、ボクは「どうぞ」と一言だけ。


一切れ、口へ運ぶ彼女が問う。



「あなた、かわいいね」


「………………そ、そうかな?」


「うん。私、好きよ」



その言葉だけで、ボクは死んでしまいそうなほど嬉しかった。


忘れていたけど、彼女は男の子が苦手だったはず。


だから神様は、ボクを女の子にしたのだろうか。


それなら、怖がられずに済むし「好き」なんて言ってもらえるし、万々歳だ。
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