冬うらら~猫と起爆スイッチ~
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「おい」
しかし、カイトの方はようやくしゃべる気になったのか、短いその一言で呼ばれる。
顔を向けると、彼は交差点の中で大きくハンドルを左に切ろうとしていた。
メイの身体が、運転席の方に持っていかれそうになる。
慌てて遠心力に逆らうように我慢した。
「食いたいもん…言え」
ぶっきらぼうで、機嫌が悪そうで。
そういうことを聞くことすら、全然慣れてない舌さばき。
「え…あっ…」
いきなりの質問に、さらっとこたえられるはずもない。
しかも、その質問の内容は、かなり難しいものだったのだ。
友人関係との外食だって、どこにしようかあれやこれや迷ってしまう彼女に、食べたいものの指定をさせるなんて大変である。
だから、世界最強の答えを口にしようとした。ゴマのように、振りかければ決着する魔法の言葉である。
「な…」
メイは口を開けた。
「何でもいいは、ナシだ」
しかし、全部言い切るのは、カイトの方が早かった。
彼もその世界最強の答えの存在を、ちゃんと知っていたのである。
そんなぁ。
頭の中を、いろんな料理が巡る。
嫌いなものはないし、何だって食べられる。だから、本当に何でもいいのだ。
「おい」
しかし、カイトの方はようやくしゃべる気になったのか、短いその一言で呼ばれる。
顔を向けると、彼は交差点の中で大きくハンドルを左に切ろうとしていた。
メイの身体が、運転席の方に持っていかれそうになる。
慌てて遠心力に逆らうように我慢した。
「食いたいもん…言え」
ぶっきらぼうで、機嫌が悪そうで。
そういうことを聞くことすら、全然慣れてない舌さばき。
「え…あっ…」
いきなりの質問に、さらっとこたえられるはずもない。
しかも、その質問の内容は、かなり難しいものだったのだ。
友人関係との外食だって、どこにしようかあれやこれや迷ってしまう彼女に、食べたいものの指定をさせるなんて大変である。
だから、世界最強の答えを口にしようとした。ゴマのように、振りかければ決着する魔法の言葉である。
「な…」
メイは口を開けた。
「何でもいいは、ナシだ」
しかし、全部言い切るのは、カイトの方が早かった。
彼もその世界最強の答えの存在を、ちゃんと知っていたのである。
そんなぁ。
頭の中を、いろんな料理が巡る。
嫌いなものはないし、何だって食べられる。だから、本当に何でもいいのだ。