冬うらら~猫と起爆スイッチ~
□88
メイの指した先にあったのは―― ファミリーレストランだった。
カイトは、当然のようにムッとする。
当たり前だ。
彼女ときたら、またもあの服と同じ過ちを犯す気なのか。
カイトの気持ちなど、ちっとも理解していないのだということが分かった。
食いたいものを言えとまで。
あのカイトが女と一緒に車で出かけ、あまつさえそんなことまで聞いたというのに、メイときたら、どうでもいいようなファミレスなどを指したのである。
腹立たしい以外の何者でもなかった。
今日は、もう何も仕事をさせない意味で外食に連れ出したのだ。
それなのに、行き先がその店とは―― 彼を甲斐性なしにする気なのか。
彼女の食べたいものを優先しようと思っていたのだが、まったくもって話にならない。
カイトは、その申し出を聞く気にもならなかった。
絶対に、それが本心だとは思えなかったからである。
普通なら。
たとえば、友人同士だったとしよう。
それ以上の関係は、いまのカイトは考えたくなかったし、実際考えられなかったので、シミュレーションは友人だ。
もしも、友人同士であったとしたら、メイはどう答えただろうか。
悩むかもしれない。
あれこれ相談するかもしれない―― しかし、いきなりそこらにあるファミレスを指して、『そこがいい』などと言い出すことだけは、ないように思えたのだ。
とてもじゃないが、味を楽しみに行くところとは思えなかった。
メイの指した先にあったのは―― ファミリーレストランだった。
カイトは、当然のようにムッとする。
当たり前だ。
彼女ときたら、またもあの服と同じ過ちを犯す気なのか。
カイトの気持ちなど、ちっとも理解していないのだということが分かった。
食いたいものを言えとまで。
あのカイトが女と一緒に車で出かけ、あまつさえそんなことまで聞いたというのに、メイときたら、どうでもいいようなファミレスなどを指したのである。
腹立たしい以外の何者でもなかった。
今日は、もう何も仕事をさせない意味で外食に連れ出したのだ。
それなのに、行き先がその店とは―― 彼を甲斐性なしにする気なのか。
彼女の食べたいものを優先しようと思っていたのだが、まったくもって話にならない。
カイトは、その申し出を聞く気にもならなかった。
絶対に、それが本心だとは思えなかったからである。
普通なら。
たとえば、友人同士だったとしよう。
それ以上の関係は、いまのカイトは考えたくなかったし、実際考えられなかったので、シミュレーションは友人だ。
もしも、友人同士であったとしたら、メイはどう答えただろうか。
悩むかもしれない。
あれこれ相談するかもしれない―― しかし、いきなりそこらにあるファミレスを指して、『そこがいい』などと言い出すことだけは、ないように思えたのだ。
とてもじゃないが、味を楽しみに行くところとは思えなかった。