心の声を聞いて



「有り難う。和音…。家まで送ってくれて」

「隣だし!気にすんなよ!!」

「…うん」

「家に入ったら、寝ろよ!!後、風呂から出たら、髪はすぐ乾かせよ。どーせ…」

「はいはい。和音、ママみたいだよ?…ふふ」

「…っ。…めんな…。ユイ…」

「…え?」

今、和音…。誤った?

「…和音。…今、か…の…」

「え?…あ、ユイ、俺ら、しばらくは…登校…別々にしよう…?」

「……え?何で?…そ」

……それはなんでなの?
と聞こうとしたけど
あたしはやめた。

和音は急に顔を伏せた。

理由を言いにくそうなのがすぐ分かったから。

……。


「あたし…達…別に、もう一緒に、行かなくていんじゃない?」

「え?」

「…だって、もう高校生…だよ?ご飯だって…ほら、鈴ちゃんもいるしっ」

あたし、何言ってるの?
そんな事全然思ってない。


「ユイは…それでいいの?」

何でそんな事聞くの?
嘘だよ!あたしはっ…

…あたしは…?

「…い…いよ」

和音は一呼吸おいて、ゆっくり口を開いた。

「そか……。じゃあ、そうしよう…」

和音は、ニコっと笑った。

違う…あたしそんな事…っ。

あれ、泣きそう…。

「う…うん…じゃあ、今日は有り難うっ!!」

あたしは和音の顔も見ないで家の中に入った。
見れない。
今は見られたくない。

だって、あたし…今…
泣いてるもん…。


「っ…あ…あたし…馬鹿…じゃん…こんな…」

自分が言った事の後悔…。
あたしは、制服を着替えずにすぐに布団の中へ入った。

そして沢山泣いた。

ある一通の新着メールに気づく事なく、あたしは眠りにつく。
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