水恋
「李津さ、入学式初日に会ってからずっと思ってたんだけど、素直じゃないよね、とことん」
哀れみの目を向けてくる先輩に、思わず殺意が芽生えそうになる。
「いや、素直ですけど、十分。思ったこと全部はっきりと先輩にはお伝えしているつもりですが」
「ハハハ。そういうことにしておこうか」
「何なんですか、さっきから先輩は」
「別に?あぁ、そうだ。俺のクラスの演劇、1時半からだから。良ければ見に来て」
話し変えた、この人。
「何の劇ですか?」
「ロミオとジュリエット。まぁ、ハッピーエンドだけど」
「へぇー。…先輩、なにや……」
思わず私は言葉を止めた。
模擬店で、「興味ない」と言ったのに、今更聞けない。
「何?」
おもしろそうに私を見る先輩。
「何でもありません!!!!!」