三度目のキスをしたらサヨナラ
トレイに人数分のグラスとおしぼりをセットしていると、再びお店のドアが開いた。
「いらっしゃいませ」
反射的にそう声をかけながら、視線を手元のグラスから入り口へと移す。
──だけど、その次の瞬間、
私は息をのんで身動きが出来なくなった。
そこには、見覚えのある顔。
ショートカットに、華やかで整った顔立ち。
大きな瞳と、何より目立っているのが色っぽい目元の泣きぼくろ。
それは見間違えるわけのない、ソウの彼女──ミナちゃん──だった。
先ほどのグループと同じジャンパーを着たミナちゃんは、奥の席に隠れた仲間の姿をすぐには見つけることができなかったようで、しばらく入り口に立ったままキョロキョロと店内を見回していた。
そして、私と目があった瞬間。
先に来ていた仲間が彼女に気づいて、大きな声で彼女を呼んだ。
「リョーコ、こっちだよ!」
追加で1つ載せようとしたグラスが、思わず滑って手から落ちた。
ソウの大事な彼女のミナちゃんは、
『リョーコ』と呼ばれると、
それを否定せずに、笑顔で奥のテーブルの仲間の元へ駆け寄っていった。
──そして、私は。
倒れたグラスからしたたり落ちる冷水が足にかかっていることにも気づかず、
ただ呆然とその場に立ち尽くした。
「いらっしゃいませ」
反射的にそう声をかけながら、視線を手元のグラスから入り口へと移す。
──だけど、その次の瞬間、
私は息をのんで身動きが出来なくなった。
そこには、見覚えのある顔。
ショートカットに、華やかで整った顔立ち。
大きな瞳と、何より目立っているのが色っぽい目元の泣きぼくろ。
それは見間違えるわけのない、ソウの彼女──ミナちゃん──だった。
先ほどのグループと同じジャンパーを着たミナちゃんは、奥の席に隠れた仲間の姿をすぐには見つけることができなかったようで、しばらく入り口に立ったままキョロキョロと店内を見回していた。
そして、私と目があった瞬間。
先に来ていた仲間が彼女に気づいて、大きな声で彼女を呼んだ。
「リョーコ、こっちだよ!」
追加で1つ載せようとしたグラスが、思わず滑って手から落ちた。
ソウの大事な彼女のミナちゃんは、
『リョーコ』と呼ばれると、
それを否定せずに、笑顔で奥のテーブルの仲間の元へ駆け寄っていった。
──そして、私は。
倒れたグラスからしたたり落ちる冷水が足にかかっていることにも気づかず、
ただ呆然とその場に立ち尽くした。