牙龍 私を助けた不良 上
そう思いつつ、白猫を抱き上げて店に入るためドアに手を掛けた時、急にドアが押し開かれた。
だから。
ガシッ、チリィーン。
ドアが頭に直撃する前に掴むと、それについていた鈴が軽やかに音を立てた。
「──っぶね・・・」
「わっ、すみません!!」
急に開いたドアの反対側に居たのは、凜華くらいの小柄な女だった。漆黒の長髪と、漆黒の切れ長い瞳。
・・・あれ、コイツどっかで。
黒いコートを着たその女も気付いたのか、きょとんとした様子で俺を見た。