嘘カノ生活
「間宮さんは…、ずるいですよね」

「は?」

 

だって、そうやってふいに優しく。

いつもはふざけてばっかりで、つかみ所がないのに。

さっきみたいにいざと言う時、人が変わったように優しい。

 
あたしなんかのために。
 


 
「あの、あたし、なんかできることあったら言ってください」

それで、貸し借りはなしだ。

「んー、そうだな…」
 
 
間宮さんはしばらく考えて、なにか思いついたのか顔をあたしの方に向けた。


「朝未」
 
「は……、?!」
 
 
 
 
 

間宮さんの大きな手の平は、あたしを後頭部から引き寄せ、

そしてあたしの視界は、間宮さんでいっぱいになった。
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