嘘カノ生活
その間の数十秒。

何が起こっているのかあたしには理解できなかった。

息苦しい。

それから逃れようと思っても、後頭部にある間宮さんの手が押さえつけていて動けない。



そうなってからようやく、この動作がなんでであるかに気づいた。 
 
 
そして、持てる限りの力を出して離れた。



「ま…間宮さん!」

「ん?」

「な、なん…」




やけに熱っぽいあたしの頬。

それなのに、間宮さんは平然とした様子。



「いきなり、なに…」

「え、だって朝未が出来ることないですかって言ったから」



だからなんなんだろう。

つまりは、キスさせろ、と。

 
 
やっぱり、この人は非常識極まりない。
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