【モテ期到来】
なんとなく日々を過ごしていたら、今週はテスト期間だった。




…手応え?




あるわけねぇだろ、そんなもん!




まぁ、うちは野球部の顧問がうるさかったから赤点は取らないよう、ある程度の勉強はしてたし。




成績は多分、今回も“中の下”ってとこだろう。




翌週、答案用紙を返しながら担任は『夏休み中に進路を決めておけ』と言っていたっけ…。




進路か…。




ぼんやり外を見ながら考えていると前の席の大本が振り返った。




「お前、進学?」




「わかんねぇ。多分な~…」




「どうすっかな~…俺もわかんねぇや。」




帰り支度をして大本と白石のクラスに行く。




「岸~!白石は~?」




「担任に呼び出されてた。…アイツ今回のテストヤバかったぜ~!」




岸は野球部のキャプテンをしてたヤツ。




コイツはそこそこ頭がいいから常に成績もいい。




「憐れな白石…。岸、教えてやれよ~!」




「なんで俺が!」




帰りに何を食べて帰るか話していると、グッタリと項垂れた白石が帰って来た。




「夏休み…補習だって…」




「御愁傷様…。」




拝む俺らを涙目で睨んで来たが、こればかりは仕方ない。




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