【モテ期到来】
俺はアカリのケツに蹴りを入れると彼女はキャアキャア言って逃げた。
こんな事紗夜香ちゃんにはもちろん、他の女には多分出来ない。
それがアカリには出来てしまうのは、それだけコイツの前では素で居れてるって事かな?
怒って俺を追い掛けてくるアカリの攻撃をヒョイと避けながら逃げる。
コイツとのそんなじゃれ合いも楽しいなんて思ったりして。
意外と遠いかと思ってた球場はふざけてたらあっという間だった。
地区大会とはいえ、決勝とあって凄い混み具合だ。
「…大本どこだろ…。」
携帯を弄る俺の隣でアカリは目を輝かせてマウンドを眺めている。
「ねぇ、太一!太一もあんな風に野球してたの!?」
「ん?そうだよ。何当たり前の…」
「ねぇ、太一!太一のポジションってどこだったの!?」
「センター。…ちょっと揺らすなって…!」
腕にぶら下がるように揺すってくるアカリのせいでまともにメールも打てない。