【モテ期到来】
「ねぇ、太一~!センターってどこ!?」
「うるさいよ!!後で教えてやるから待ってろ!」
俺は大本に“到着した”とメールをして居場所を知らせる。
大本から“そっちに行く”と返事が来たのを確認してアカリの話を聞く。
「なんで今打ったのに“アウト”なの?」
“なんでなんでなんで”
まるで子供のようにはしゃぐアカリが可笑しくて笑える。
俺は子供に教えるみたいに判りやすく説明してやると、アカリはフムフムと真剣に耳を傾けていた。
「なんとなく判って来た!」
“なんとなく”かよ!
と項垂れたところで大本に肩を叩かれた。
「よぉ!西高頑張ってるぜ!」
「みたいだな!今回の4番って、あれ2年だろ?」
「そう!…あ、その子が例の?」
アカリに気付いて大本はニッコリ微笑んだ。