【モテ期到来】
「言いたくないって言ったじゃん!」
「お前、理由もなくムカついたりしないじゃん…なんかあったんだろ?」
「………」
言いたくない。
だって太一が傷付くもん。
「太一~!」
「あぁ?」
「太一~!私ね…」
「うん?」
「三国 紗夜香は嫌いだけど、太一の事は好きだから!」
「…あのさ、むやみに“好き”とか言うなよ!…俺そういうの疎いから勘違いするし!」
…“勘違い”じゃないよ、太一。
「太一~!好き~!」
「だから!そういう事言うなって!!」
ヤバい…泣きそう…。
私が思い切り暴投したら太一がボールを取り損ねて慌てて拾いに行った。
その隙に後ろを向いて涙が溢れないように上を向く。