前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―
「これも愛ゆえにだ、豊福」
その愛、世間体ではストーカーと呼ぶんじゃ。
それとも俺の常識が間違っているのだろうか。
培ってきた常識が間違っているのだろうか!
意気揚々としている御堂先輩にショックを受けていると、「馬鹿め」鈴理先輩はチッチッチと立てた人差し指を振って異議申し立て。
「あたしはとっくに把握済みだ!」
片思い時代はあんたと同じことをしていたのだからと暴露してくれたもんだから、ダブルショッキング。
貴方様もそんなことをして下さっていたんっすか。
学内で俺の行動を把握していたのは知っていましたっすけど、でも、嗚呼、眩暈。
思わず、ガクリと両膝を床について落ち込んでしまう。
「そ、空くん」「お、おい空」お気を確かに、とフライト兄弟が声を掛けてくれるけど、俺はシクシクと泣いた。
頭上に雨雲、いや雷雲を作ってシクシクシク。
愛…、嗚呼、愛とはなんぞやもし。
俺は根本的なところが分からなくなってきた。
愛、ラブ、アガペーにエロス。
愛にも多くの種類がある。
親子愛に兄弟愛、異性愛、同性愛。
俺には兄弟がいないから兄弟愛は体験できないけれど、その他の愛なら体験ができる。
いや、同性愛もご免被りたい。
宇津木ワールドは妄想だけで止めておきたい。まる。
それはともかく愛とは何か、哲学的に考えみたい。
人は何故、他者を愛し、求愛するのか、それは一体何故か!
先輩方の行動は愛と呼んでいい範囲なのか!
……わっかんねぇ、わっかんねぇよ、父さん、母さん。愛ってなんっすか!
なんでも愛で済ませば許されるってわけでもないでしょーよ!
ちくしょう、どっからどこまでを愛と称していいんっすか。
下手すりゃ俺は愛に始終監視されてる。