清水の舞台
「何にしましょう」

倉田は、真理子に聞いた。

「あのね、倉田さん。そこはこう言うべきよ。松木さん、この前と同じカルアミルクでよろしいですかって、お客さんの名前を言うことでお客さんとの距離が縮まるのよ。そして、前回お客さんが注文したものを覚えているってことをアピールするの、それだけでお客さんは機嫌良くなるものなのよ」

真理子は水商売の先輩として教えてやった。

「勉強になります。では、松木さん、カルアミルクでよろしいですか」

「今日はカシスオレンジをください」

真理子はかわいらしくボケてみた。
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