藍色のビー玉
「美優ね、龍太郎があきらめられない」
「うん。」

昨日の話なんて出来るわけない。
「美優ホントに好きなんだ」
「わ、私も島田が好き。だからホントは悔しい。」
「わかるよ。奥さんいるしね。うちも龍太郎が他の子と美優みたいなことしてたらいや」
「うん…」
ごめん美優。
「美優美尾がいてよかった!こんないい友達いないよね」
「美優…」

ごめんなさい神様。
私きっとひどいバチがあたるよね。
あたればいいのに。

【美尾さんっ】
その夜だった、龍太郎からメールだった
【何】
【昨日の事は秘密な】
【わかってるよ言えないよ】
【よしよーし、あとあーゆーことしたから付き合ってるって訳じゃないから。別に好きじゃねーし。】

…。うそ…分かってだけどどうしてこんなにショックなんだろう。辛いよ。
酷い。

【わかってるよ!好きな人いるから】
【えっ?いんの】
【うん】
【だれだよ】
いってバラされても困らない相手は大人だし。
【島田】
【島田?えっ数学の?】
【だめ?わるいか】
【いいんじゃね?青春みたいで】
なんだよ。こいつキライ。マジ嫌い。
最低男。

でも、そう思ったとたん自分のほうが最低なんだと思い直した。
龍太郎が好きな美優
それを知っていて私は龍太郎とキスをしてしまったんだから。
もしかしたら、美優よりも進んでしまったのかもしれない。
いままで、男とキスなんてしたことなかったのに、男とのファーストキスが好きでもない相手なんて。
そう思えば思うほど、私の中の何かが悲鳴を上げていた。
まだ、世間をあまり知らない中三だった私には現実を受け止められずにいた。
ただただ自分は最低なんだと思うしかなかった。
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