藍色のビー玉
こんなつらい思いをするかもしれないと知っていながら
私は、龍太郎を家に入れてしまったんだ。
暗い気持ちになりながら、明日も学校へ行き美優をだまし続けるんだ。

もう、忘れよう。私は龍太郎のアドレスを消した。
そしてアドレスを変えた。

ある日の授業の事だった。
「島田~子供生まれたらしいじゃん」
「そうなんです。実は娘が誕生しました~」
「聞いたぞ~今日の授業は島田の子供出産話らしいじゃん」
「えーでも二組だけは授業やろうかな」
「「えーーーーー」」
「ききたい~」
「仕方ないな話してやろう。」

島田…。お父さんになったんだ。ついにお父さんか。なんか、悲しいな。
「みんな~、子供が生まれるって偉大なことだぞ。俺は女性がすごいと思うよ。出産の時、俺と奥さんの妹と分娩室へいったんだけど、その時何とも言えない感動に包まれたよ。妹と抱き合って泣いたよ。後で奥さんになに抱き合ってたのって怒られたけどね。」
「島田~浮気すんなよ」
誰かが言った。
「俺はそうだな今宣言する。俺は浮気はしない。」
「「おー」」
歓声の中私は島田が好きでいることが辛かった。一生結ばれるはずない私と島田。

想いは、ホコリみたいに飛んでいってしまった気がした。
「いいか男はな、奥さんの出産には必ず立ち会え!女は立ち会ってもらえ。必ず守りたくなるから二人を。自分の家族をな。」
正直感動してしまった。何で私はこんな素敵な人を好きになってしまったんだろうか。
ルックスは決してよくはないが、優しくて人気の先生で実はモテる。
まるでアイドル。島田はそういう存在だった。
でも、島田とは龍太郎見たいな関係になることは想像もしたくなかった。そうおもった途端、島田は憧れなのかなとおもった。島田…。
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