藍色のビー玉
島田
島田が好きなのは、勘違いだよね。

受験も終わり、島田の授業も残りわずか。
島田に会えなくなる。
「美尾っ?みーおー?」
「あっごめん美優ちょっと考え事してた」
「何~島田?」
「うん。」
「明日で数学最後だよ」
「そうだよね。」
「美優ね、龍太郎に卒業式でまた告る。」
「えっ?」
美優…凄いな。なんかあこがれる。
「でも、美優実は彼氏できたの」
「えっ??うそどこで」
「ブルーで。」
「ブルーってあの携帯サイトの?」
「うん。修平っていって、美優はホントはあんまり好きじゃないんだけど修平はそれでも良いからって」
「美優それでいいの?龍太郎は?」
「龍太郎は好きだけど、もうダメな気がするし」
確かに、龍太郎は止めた方がいい。
私が言えることじゃないけど。
「明日までに提出の数学のワークやった?」
「えっ?」
突然の話に驚いた。
「うん、あと一ページ。」
「ちゃんと出せよ★島田なんだからさ」
「うんわかってるよぉ」
ホントに最後なんだ…。
どうしよう。やっぱり最後なんて無理だよ。
この先一生、先生の授業が受けれないなんて。
なにか残したい。話したい。そうだ。
ワークの一番下の所にメッセージを書こう。
「先生っ。2年間ありがとうございます。これからも頑張ります」
よしっ。
次の日の数学の時間。
「美尾…ありがとう。」
急に島田が私に生徒全員のまえで言い出した。
「2年間ありがとうございます…」
そして私の文を読み始めた。どうしよう。恥ずかしい。
「なっ何で読むの!」
「えっごめんって、何赤くなってんの」
「お前らできてんのか~」
「できてないぞ~」
バカバカバカ。島田のバカ。
でも、あとから近くによってきて島田はそっと
「美尾ごめんな」
っと言って去っていった。これが凄く凄く悲しくって何でかわかんないけど悲しくって、そのあとのお弁当のじかん美優のまえでとうとう私は泣いてしまった。
「美優っつらいよ嫌だよ」
「美尾…」
美優は一緒に泣いてくれた。叶わない恋を二人ともしたから、きっとわかってくれたんだ。大切な大切な友達。
「おい、美尾?なに泣いてんだ」
えっ嘘…。もしかして、し…まだ?
顔を上げると目の前に島田がたっていた。
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