藍色のビー玉
「美尾?どうしたお腹いたいか?」
この言葉で去年の島田の事を思い出した。
委員会におんなじ部活の先輩がいて、行きたくなくてサボロウと廊下をうろうろしてたら、島田が来て、とっさにお腹をさすったら島田が
「美尾?お腹いたいのか?」
と言われた時だ。
「うっ、うん」
「せ…り…か?」
「なに?聞こえない?」
「生理痛か?」
「違うよ~」
恥ずかしそうな島田の顔を急に思い出した。
そして少しニコッとすると、
「なにニヤニヤしてんだよ…ホントに大丈夫か?」
といって頭をそっと撫でてくれた。
それから島田とは、話すことはなかった。
すれ違っても、目があっても話せなかった。話す理由がなかったからだ。
それでも島田と話したくて、会いたくて苦しかった。
何にもできずに、卒業式前日になってしまった。
手紙を書くことにした私は封筒を取り出し可愛い便箋に「島田先生へ」とかいた。
「先生っいままでありがとう。先生はすぐからかったり、意地悪して私を赤くしてくれましたねwwでも数学は分かりやすかったし、たのしかったよありがとう。
先生だいすきだよ
美尾」

それから怪しまれないように他の先生にも手紙を書いた。担任には文末に先生サイコーたいすきだぜっと書いて島田と似たようにしておいた。
卒業式当日、島田に手紙を私て一緒に写真をとってもらった。ピンでもふざけてとった。
美優も一緒に撮ってくれたしバレないよね?
これで会えなくなるから沢山思い出残さなきゃ。
そんな感じで私の中学校生活は幕を閉じた。
美優は結局龍太郎と一言も話せず、写真も撮れずにいた。
ごめんね美優…。
それから美優は違うマンションに引っ越した。頑張って自転車をこいで何回か遊んだけど一回中学校に忍び込んで島田がいる体育館に耳を傾けこの壁の向こう側には島田がいるんだなと思ってココロがきゅんとした。
寂しいな会いたいな。
< 13 / 14 >

この作品をシェア

pagetop