廻る世界

 靴を履きかえた時に後ろから視線を感じた。


 振り向くとそこには朝転校してきた夢の少女が俺を見ていた。

 何となく彼女のような予感はしていたが…


 「話しがあるの、ちょっといい?」


 俺は小さく頷いて彼女の後をついていった。


 …どうしよう、かなり動揺しちゃってますよ俺。


 学園を出て10分くらい歩いた所で彼女は立ち止まった。


 「ここで話そ?」


 「あ、あぁ。」


 気付いたら公園に着いていた。


 俺らはそれぞれベンチに座る。


 「んで、話しって?」

 
 一応平静のフリをして尋ねる。


 「貴方ももう気付いてるんじゃないの?」


 「てことはやっぱり!?」

 「うん、貴方の夢に出てきた少女。そして私の夢に出てきた少年。」


 「どうして、君は俺の夢の中に出てきたんだ?」


 「知るわけないじゃない。私も戸惑ってるんだから…」

 
 だけど。


 「俺は…現実の君に会えて嬉しい。」


 「え?…うん、私も貴方に本当の世界で会えて嬉しい。」


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