One Day~君を見つけたその後は~
そしてヤマタロは、何もなかったかのように次の話題に移る。

<あーあ。オレも旅行したい>

……こっちはまだ、さっきのメールにドキドキ中だって言うのに!

<言っとくけど、私のは旅行じゃなくて合宿だよ? 分かってる?>

<はいはい>


……旅行と言えば、さっき、チョコからメールが届いてたんだよね。

『卒業旅行は沖縄に決めたから、月曜日パンフレット持ってくね!』なんて。

まだ受験はこれからだっていうのに、チョコってばせっかちすぎるよ。


そのことを伝えると、ヤマタロは

<また4人で?>

って不満そうな返事。

それ、チョコや陽人が聞いたら問題だよ……。

<4人じゃイヤなの?>

<イヤじゃないけど、どうせなら二人だけでどこか行きたいよなー。泊まりで遠出とか、したくない? まぁ、大学に入ってからでもいいか。時間はいっぱいあるんだし>

<えっ?>

ドキッとして、思わず固まっちゃう私。

だって……。

<なに? もしかして、泊まりに反応した?>

<違う違う! そうじゃなくて!>

……イヤ、それもあるけどー!



──私がいちばん反応したのは、“大学”って単語。


明日の話をするのは、大丈夫なんだ。

次の週末の予定だって平気。

でも、何ヶ月も先や、一年後のことってなると、話は違ってくる。


“友達”としての約束なら、何年だろうが何十年先だろうが、いくらでもできるのに。

“恋人”としては……まだ、そう簡単にはいかない。

照れくさくて、意識し過ぎちゃって、うまく口に出せないんだ。


妄想は、大学よりずーっと先のことまで、しちゃってるんだよ?

思ってることを全部口に出したら、どん引きされること間違いなし! っていうくらい、一日中ヤマタロのことを考えてるし。

滝田先生の話じゃないけど、これからもずっと一緒にいたいと思ってるし。
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