One Day~君を見つけたその後は~
──だけど、なんでだろう。
深月といるといつも調子が狂う。


“オレ”としてメールを送っていたときもだが、昨日のことだってそうだ。


タケから慎の話を聞かされてから、オレはずっとイライラしていた。


アイツの前では冷静なフリをしながら、内心気が気じゃなくて。

深月の何も考えてなさそうな顔を見ると余計ムカついて。


慎と一緒にいたからって、あいつらが今更どうにかなるなんて思っていない。

オレだってそれなりに、深月が自分を想ってくれているってことに自信を持っているつもりだ。


……だけど、やっぱり気になるものは気になる。


今までずっと、深月が慎のために泣いたり笑ったりするのをそばで見てきた分、ムカつくんだ。



あぁ、嫌だ。
なんかこういうのって、オレらしくねーな。


オレは、なんでこんなにあいつにペース乱されてるんだ?


そもそもオレは、何であいつが好きなんだ?
一体、あいつのどこにそんなに惹かれているんだ?


……ふとそんなことを考えただけで、

『えぇっ!? もう心変わり!?』

と眉根を寄せて不安そうな表情をする深月の顔が思い浮かんだ。


あー、ダメだな、オレ。
相当はまってる……。


そんなオレのことを、陽人がまるで変なものを見るような目つきて眺めていた。


「おい。……お前、なにニヤけてるんだ?」

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