One Day~君を見つけたその後は~
陽人に言われてはじめて気がついたが、無意識のうちにオレの頬は緩んでいたようだ。

やばいな。
これも深月の影響か……?


「オレのことは放っといてくれ、それよりお前は自分の心配しなくていいのか?」


照れ隠しでそう言った時、オレの背後から声がした。

「先輩!」


オレと陽人が同時に振り返ると、そこには後輩のマネージャーが困った顔をして立っていた。

「すいません、副部長の電話番号知りませんかー? どうしても今日中に確認したいことがあるんですけど、もう帰っちゃったみたいで」

副部長の番号なら、オレも陽人も知っていた。

隣の様子を伺うと、陽人は携帯を手に持ってはいたが、それを開くのを躊躇っている。

……まったく、こいつはどんだけチョコが怖いんだよ。


マネージャーは陽人の携帯をじっと見つめて番号を教わろうと待ち構えているが、この調子だといつになるか分かったもんじゃない。

「ちょっと待って。俺も登録してるから」

そう言うと、オレは携帯を取り出してそいつの番号を調べ始めた。


「うぉぉぉっ!!」


調べた番号をマネージャーに伝えていると、固まっていたはずの陽人がオレの携帯を覗き込み、そんな驚いた声をあげる。

「……今度は何なんだ? うるさいヤツだな」

「『なんだ』じゃないだろ、お前!」
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