Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
「はいっっ」

『これ…』

「私からもプレゼントっ」

『さんきゅ』



焦げ茶の紙袋を開けて、京ちゃんが中身を取り出した。



『マフラーじゃん。俺も大切に使う』

「うんっ」



喜んでくれたみたいで良かった。


マフラーはネットで探して、真由さんにお願いして代わりに買ってきてもらった。


本当は自分で買いたかったけど、怖くて外出することが出来なかった。



『店は俺が勝手に決めちまったんだけど、どっか行きたいとこねぇの?』

「イヴだし、やっぱりイルミネーション見たい!!」

『場所はどこでもいいの?』

「私より京ちゃんの方が詳しいだろうから、お任せするっ」



どういう意味だと言わんばかりの目で見られたけど、私は笑って誤魔化した。


もうすぐ8時になるところだ。


今日は外泊許可をもらっていて家に帰るから、いつもよりゆっくりできる。


体調が悪くならないことを祈るだけ……。






< 114 / 253 >

この作品をシェア

pagetop