Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
水族館のパスも京ちゃんが買ってくれた。


なんだか凄く申し訳なかった。


私から言い出した事なのに至れり尽くせりだよ…。



『水族館に着いてテンション落ちてどうすんだよ』

「…ごめんね、京ちゃん」

『何で謝んだよ』

「色々面倒みてもらっちゃってる…」



気を遣わせちゃってる事も申し訳なかったけど、子供扱いされているみたいで辛い気持ちもあった。



『今日はまりあが頑張ったご褒美で来たんだろ?』

「うん…」

『ならお前はんな顔してねぇで楽しめ。俺の時間と金も無駄になっちまうだろうが』

「京ちゃん……」



そうだよね。


せっかく時間作ってくれて、パスまで買ってくれたのに私がこんな顔してちゃダメだよね。



「お言葉に甘えて楽しむことにするっ!!」

『あぁ』



京ちゃんは私の頭をくしゃくしゃっと撫でると、やんわりとした笑顔を見せてくれた。


思わず見とれてしまいそうな程綺麗で、透き通るような笑顔だった。






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