空色クローバー
「怖くないよ。」
私は少しずつ近寄った。

逃げなかった黒猫に少し触れると、
解放されたように近寄ってきた。

慣れたら、仲良くしてくれる子なのかもしれない。

可愛いな…。

その後はずっと黒猫を撫でていた。

「少し遅くなったけど、うちの猫はどうだい?…って、水月ちゃん既に懐かれてるね。」

「はいっ!」

水月はファイティングポーズから、慌てて気をつけの姿勢になって返事をした。

途中から立って、長い紐がついた棒に持ち替えて二匹と熱い戦いを繰り広げていた。

「壮絶な戦いで、見てて飽きませんでしたよ。」

私は思い出して笑いながら言った。

「…えっ、ナル!?
海ちゃんはもうナルに懐かれたの?
性格に難ありの猫なのに。」

私の側にいる黒猫を見て驚いている。
性格に難ありって…陸先輩も不思議な言い方するなぁ。

「はい。」

「俺は撫でさせてもらうのに一ヶ月以上かかったのにね。」

「そうだったんですか!?」

「うん。
短時間で凄い猫に好かれたね。
二人とも猫使いか何かかな?」

先輩は微笑んでそう言った。
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