Love 4 U
― そういえば…
私はふと気が付いた。

「ねぇ?」

「ん?」
彼が、私を見る。


「名前。名前は?今更だけど…」

「あっ、俺?リョウ。君は?」

「ユリア。百合の花に愛と書いて百合愛って…。別にどーでもイイっか…。そんなコト…」

「綺麗な名前だな…」
リョウが、微笑んだ。

「そう?」
リョウに名前を褒められて、少し照れた。

久し振りに自分の名前を口にした。

死に場所を探すのに、私は自分の名前を捨てた。

偽名でホテルを転々として、自分の名前すら忘れかけていた。


それなのに、自分から名前を聞いて、自分から名前を名乗っていた。


リョウ。
あなたは、不思議な人。

人懐っこい笑顔。

何を考えているのか分からない、表情。

突拍子もない行動。



なのに…

私は、あなたに癒されている。



リョウ…

あなたは…






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