カンボジアのコト

衝撃の事実

「前、山口先生が来たとき、ガイドしたのハーマン?」
引き続き、食事中。
何ヶ月か前に、例の「ボランティア実習」という授業で、生徒達がカンボジアに来たということを高木先生から聞いていた。「今回さぁ、エンドーの都合が悪くて、ハーマンさんってガイドが来たの。それがさあ、とっても日本語がうまいし、頼りになったのよー。」と。
「はい。」
ハーマンが、じっと私を見る。評価が気になるのかもしれない。
先生の言葉をそのまま真似したら、エンドーがとても誇らしそうな顔をした。
なぜ!?
「エンドーにとって、ハーマンはお兄さんみたいな人?」
見た目的には、エンドーの方が少し幼く見える。
「?親友ですョ。毎日一緒。」
「エンドーとハーマンと、私は同じ歳?」
「エリさんは違う。」
「なんで?エンドーと、私、同じ歳でしょ?」
「何を言ってるんですか?エリさんは、1歳年下ですよ。妹です。」
「うそー。」
「私は198×ねん生まれですよ。」
「…今知った。」
なんだか、ショックだ。私の方がお姉さんだくらいに思ってたのに。
「今まで、私をお兄さんと思ってなかったんですか?」
エンドーもショックを受けている。
「えぇ…今までの態度で分かるように…思ってなかったです。」
「今後は、私をお兄さんと思ってくださいね。」
ふんっと威張ってみせるエンドー。
たった1歳差。されど1歳差。きっと、最初会った時に、年上だと思っていたら、
もっと扱いが違ったのかしら…とも思ってみたりする。
やっぱ違わないや。
エンドーはエンドーだ。
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