カンボジアのコト

処刑

トゥール・スレンを出てから、そのままキリング・フィールドへ行きます。
トゥール・スレンは拷問の場所です。キリング・フィールドは処刑の場所です。

キリング・フィールドはあちらこちらにあります。その中の1つに行きました。
慰霊塔がたち、遺骨が安置されています…というが、遺骨っていうか、うん…。
髑髏が、見学者達を囲むように並べられてんねん。
所々掘り起こした後があるけど、まだ掘り起こされてない所もあって、
まだ沢山の人がこの下にいる。
キリング・フィールドの場所に選ばれるのは、街に近いけれど、閑散としていて、
悲鳴があたりに響き渡らない所。近くに川が流れていて、雨季になると、水で隠れてしまう所だという。
キリング・フィールドのには、ギザギザした大きな葉が元々あるのか、植えられたのか…があって、枝のように太い葉は所々切り取られたあとがあった。
これを使って、人の首を切るのだという。
触ると、確かに切れる。カヤを太くして、ギザギザにした感じ。←全く違う植物ぢゃん。
でもさ…確かに指先は切れても、これで人の首が切れるの?
と聞くと
「分かりません。」
とガイドから帰ってきた。ですよね。
拷問を受け、ここへ連れてこられた人は、自分が埋められる穴を掘り、
そのうえ、ひと思いに殺してはもらえず、処刑者達のオモチャになるのか…。
子どもを叩きつけたという木もある。
私より、少し背の高いくらいの人間が
何かをふりかぶって、ぶつけた位置は、茶色の表皮ではなく、表皮ははがれ、肌色が見えた。
カンボジアの人たちの背を考えると、私とほとんど変わらない…
木は成長しても、木に、茶色の皮が戻ってくることはない。
戻ってこないほど何度も叩きつけられたのだと思うと、
それが、母親の前でだと思うと、聞いたこともない悲鳴が耳に聞こえてくる。
そして…ガイドの携帯電話が鳴った。
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