あたしはモデル。②(修正版)
…風邪?
「えぇっ!?熱は!?」
「たぶん、ある…」
いつもと違うように聞こえた拓夢の声は、どうやら風邪を引いていたかららしい。
「私、看病しにいくよ!」
「…だめだ。」
引き返しかけていた拓夢のマンションに再び駆け込もうとしたとき、拓夢が言った。
「どうして!」
「桜に風邪が移ったら困る。
もし移って仕事に影響が出たらどうする?」
「……。」
確かに、私は職業上体調管理を第一に考えなければならない。
でも…!
「だから、来るな。
…ごめんな、せっかく会える日だったのに。
本当、ごめん。
俺、すげぇ…情けねえ…」
「…っ、」
電話の中の拓夢の声は、本当につらそうな声だった。