【短編】間違い電話
「後悔してる事って何?」



『俺さ、琉乃の事好きだったんだ。今も.....好きだ』



あたしの事が好き?



えーと、あたしの聞き間違いじゃないよね!?



「........」



あたしはあまりの驚きに黙り込んでしまった。



『あ!いきなりで悪かったよな。それに会える訳でもなんだし』



その言葉で我に返って勢いで言う。



「あたしも好きだったよ!今でも好き!」



『本当か?』



「うん....」



後で恥ずかしくなって声が小さくなる。



『ははっ、これなら引っ越す前に告っておくんだった』



琴也は苦笑しながら後悔してる。



「そうだね。でも、別に良いよ。今、こうして電話できるんだから。でも、あたしとはあまり関わりが無かったでしょ?どうして?」



あたしは疑問に思った事を言ってみた。だって、中2の頃、そんな中の良い友達同士って感じじゃなかったから。



『それは秘密。今度会ったときに言うよ』



「ええー!何それ。会えるか分んないじゃん」



『ゴールデンウィークに来ればいいよ。琉乃が良かったらだけど。俺の親達は琉乃ちゃんに会いたいわ。早く告っちゃいなさい。とか、良い子なんだろうなー。父さんも会いたいなーとか言ってるし』


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