ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
敬語を忘れてまで――
決して崩したことのなかった
会社での顔を忘れてまで、
どうしてこんなに彼が
取り乱すの――…?


「――黙ってて。

向こうが一方的に話を
変えてきた。
それも、間違いない?」


柚木クンはあたしの声を
ピシャリと遮って、矢継ぎ早に
雅絵に質問を続ける。


雅絵はもう半ばア然と
しながら、反射的に頷いた。


「聞いた話のニュアンスでは、
完全にそうだった。

人事課長、“ピュアスプリング
としての経営はどうなるんだ”
って、すごく焦った感じで……」


――その話を最後まで
聞かずに、柚木クンはまた
素早い動作で身をひるがえした。


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