ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~《完》
ただ自分は、誰にも借りを
作らずに、スマートに
生きていきたかったからだ。


自分を育てるために母親が
随分苦労しているのを
知っていた。

父親がいない子供という
ことで、母親や祖父母が
白い目で見られたことが
あるのも知っていた。


自分の存在が、周りの人間に
負担をかけていることを
わかっていたから――

母を失ったあの頃、
これからは周囲に迷惑も
負担もかけずに、静かに
生活していきたいと思った。


だから、蘭子がこういう
関係を求めているなら、
それに答える。


けれどそれは、ある意味
契約だとか、交換条件と
言っていいほど儀式的な
もので、一瞬たりとも、
瞬也は心まで蘭子のものに
なったつもりはないのだ。


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