執事の恋人~召しませ。お嬢様~

~斗希side~

俺はシーツを取りに部屋を出た。



音を立てず、廊下を静かに歩く。


俺は心から愛しいと想う女をレイプまがいに抱き、貞操を奪ってしまった。



時を戻せるなら、優しくもう一度、愛をたくさん囁き、抱きしめたい。



* * *



叶わぬ願いを胸に秘め、真新しいシーツを持って、寝室に戻る。



乱れたシーツの上に一糸纏わぬ素肌で春華は深い眠りに落ちていた。



「お嬢様・・・」



俺は耳元で春華を呼ぶ。



「んんっ…」



俺の声は春華の鼓膜を擽っただけで、目覚めてはくれなかった。


「・・・」




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