HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
でも実際進路はどうするのだろう。
新しい学年が始まるときに、書いてもらった自己紹介表と言う名の進路調査票…雅は進路希望の欄が空欄だった。
「医者か教師になりたいの?」
まぁ彼女が普通のOLをするとは到底思えないし、なんだか似合わない気もする。
聞いてみると、
「うーん」雅は首を捻った。
「わかんない。とりあえず身近にいる人たちを参考にしただけだから」
「君は頭がいいからどっちもなれるだろうけど、どっちの職業も人と向き合う職業だからね。
そうゆう方面でも向き不向きがあるだろうし、ゆっくり考えるといいよ。進路のことだったらいつでも相談に乗るし、悩んだら言って?」
僕が笑って言うと、雅もちょっと笑った。
「なに、ちょっと先生っぽいじゃん」
「こう見えても先生なんだよ」
ちょっと拗ねてサンドイッチにかぶりつくと、雅はマイペースに隣で水筒からカフェオレを注いでいる。
水筒のコップを両手で包みながら、囁くように呟く。
「水月のお嫁さんって言うのは?
なし?」
僕が顔を向けると、雅は白い頬を僅かにピンク色に染め上げて、
照れているのか僕の方を見ようとはせずに、じっと前を見つめている。
僕は雅の頭に手を置いて、彼女のしっとりとなじむ艶やかな髪を撫で上げた。
「大歓迎だよ」