HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
短い休憩時間はあっという間に過ぎた。
せっかくの楽しいお昼が、思わぬトラブルで台無しだ。
バスケットやら、水筒やらを片付けながら、それでも僕は気になってたことを聞いてみた。
「A組と派手にやりあったって?職員室でも話題になってた」
「水月も石原とやりあったんだって?保健医に聞いた」
雅が悪戯っぽく微笑を浮かべて、僕は思わず苦笑い。
「石原先生がD組がアイデアを盗んだなんて言いがかり付けるからさ」
「だよね。盗むなんてせこい真似するかっつうの」
雅は唇を尖らせてレジャーシートを片付ける。
だけどその手をふと休めて、無表情に目を上げる。
「ま、あたしにはどうしてかぶったのか大体の見当は付いてるけど」
「大体の見当?」
僕が聞くと、雅は再び手を動かしてレジャーシートを片付ける。
「あくまで予想だし、はっきりと決まったわけじゃないから言えないけど」
雅が屈んでレジャーシートをトートバッグに仕舞い入れるところだった。
ふわりと風が吹いて、雅の短いスカートを悪戯にめくる。
「キャッ!」
慌ててスカートの裾を押さえたけど、僕にはばっちり見えてしまった。
濃いピンクに黒の線が入ったチェックの下着が。
今更女子高生の下着にどうこう思わないけど、好きな子のは――――……雅のは別だ。
ラッキーだった、な。
雅が眉を吊り上げて、
「見たでしょ?」と怒る。
「見えたんだよ。お風呂一緒に入る仲だし、今更気にすることないじゃない?」
なんて苦笑いを漏らすと、
「そーゆう問題じゃないよ。変態教師」
と、睨まれてしまった。
年頃の乙女心は因数分解よりも、複雑だ―――