HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~


―――…風に吹かれてちらりと見えた雅の白い太もも。


きめ細やかな肌は陶器のように滑らかで、触れるとしっとりと心地がいいんだ。


やわらかくて、あったかくて…


―――『……せんせい…』


雅の声が遠くで聞こえた。


ぼんやりと彼女の姿が目に映り、あの芳しい香りが漂ってくる。


僕は―――雅のあの香りが好きだ――――


でも


雅は二人きりのときに僕を「先生」とは呼ばない。



「先生」



もう一度呼ばれて、近づいてくる顔を見て、僕は目を開いた。




―――森本……!




はっとなって目を覚ますと、そこは数学準備室だった。


慌てて体を起こすと、机に次の授業で使うはずのテキストが散らばっていた。


雅と屋上で昼食を摂ったあと彼女と別れ、僕は数学準備室に来た事を覚えている。


いけない……うたた寝をしていたみたいだ…


何故あんな夢を―――…


不思議に思ったけれど、きっと風の悪戯でふいに雅のスカートの中を見てしまったからに違いない。





でも何故―――森本なんだ……





『変態教師』


雅の言葉を思い出し、思わずため息が出る。


教師だって人間で―――ついでに言うと僕は男だ。


男が好きな女のそうゆうのを見て、あれこれ考えない方がおかしい。




だけど今は教師で―――…



雅は生徒だ。




一歩間違えば全て崩壊する危うい関係―――



雅が纏うあの香りは、色っぽくてどこか甘い―――




あれは禁断の香りだ。




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