HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
あたしの質問に美術バカは一瞬きょとんと目を瞬かせた。
何を言ってるのか分からないのかな。
「キスやエッチ、したことある?」
もう一回、(てか今度は何気にグレードアップさせて)聞くと、
ブンブン!
美術バカはまたも真っ赤になって慌てて首を横に振った。
分っかりやすい反応。
「あるわけないじゃん!」
「だよね。あんたがあるわけないか」
「き、鬼頭さんは…?あるの?」おずおずと聞いてくるその声は僅かに上ずっていた。
「あたしもまだ」そっけなく返すと、
「…そ、そうなの…?」
美術バカが探るように、でもちょっとだけ安心したように頬を緩めて微笑む。
「ね。する?」
突然思い立って、あたしは聞いてみた。
どんな反応をするのか気になったのもある。
だけど誰だって一度は通ることだし、それならそこそこ気を許してるこいつだったらいいかな、って思ったのも事実。
「―――は?」
美術バカは間抜けな返事が、美術室に響いた。