HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
二年前、美術バカに告白されたときは「別にこいつでもいいかな」って思ったけど、
それは恋じゃなかった。
あたしが心から欲しって、あたしが心から求めているのは―――
この世で、たった一人。
―――…
でも、あたしを求める男が居る。
(梶を含めて)何で求めるのか謎だけど、それでもその事実は変わらない。
一時限目のOC(オーラルコミュニケーションの略。英語の授業とは別に主に日常会話などの英会話授業)のティーチャーが水月と入れ替わりに入ってきた。
今年赴任したばかりの女教師。
Miss Ross(ミス、ロス。フルネームCharlotte Ross:シャーロット・ロス)←二十五歳、独身。アメリカ人だけど、年齢の半分は日本で過ごし、他にもフランス語ペラペラのバイリンガルだ。
170cmほどスラリと高い身長に抜群のプロポーション。ふわふわのプラチナブロンドに青い瞳。フェロモンてのかな、何か見た目がエロい雰囲気の先生。
身長のバランスとか雰囲気とかを考えると、あのエロ保健医の隣に並べたら結構な迫力だと思う。
この先生が来ると男子たちがそわそわと浮き立つ。
アメリカ版:歌南さん(水月のお姉さん)て感じだ。
「Good morning,everyone♪」
Missロスはご機嫌に挨拶をして、
「「「Good morning,Charlotte♪」」」
とそれ以上にご機嫌な男子たち。
いつになっても男子ってのはお調子ものだな。
前の席の梶もやたらと元気だ。
久米も―――やっぱりこうゆう人が好きなのだろうか。
ちらりと横を見ると、いつもと変わらないテンションで久米は教科書を開いていた。