HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
心配してくれた真愛ちゃんが駐車場まで来てくれて、彼女に改めてお礼とお別れを言う間際だった。
「あの!先生!!」
真愛ちゃんは僕が座っている助手席側に回って、窓のサンに両手を置いた。
「こんなときに言うのもなんですけど」
「いいよ」
「冬夜兄ちゃんが絵を描けなくなったわけは―――……」
――――
――
僕は真愛ちゃんに久米が絵を描けなくなった本当の理由を聞かされて、驚きを隠せなかった。
同じようにまこも驚愕の表情を浮かべている。
「“そんなこと”ってあるの?」
僕はまこに聞いてみた。
まこは「う゛ーん」と唸りながらも顎に手を置いて、
「まぁありえないこともないな」と考え込んでいた。
「だけどあの子が言ってたことが本当だったら―――対処法を考えなきゃな」まこが難しい顔をして僅かに唸る。
「対処法―――…」
「応急処置だ?学校に居るあいだ、問題が起こったら対処できるよう考える」
まこはそう言った。
久米が絵を描けなくなった理由―――
それには驚くべき理由が隠されていた。