HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~


まこと梶田が雅をまこの車で送り届け、僕だけがいち早く“店”『Hybrid Tea garden』に到着した。専用の駐車場に車を収め、彼らの到着を待つまでタバコを吸った。


さっきの作戦会議でこの店の存在を教えたのは僕だ。どう言ういきさつでその店を知ったのか僕は正直に話した。


流石に話すときは喉が干上がったが、それでも少しでも真実を話さなければ犯人を特定できない。


梶田と楠兄妹、そして雅と久米には僕が森本の家に“家庭訪問”してたこと、そしてそこで会った森本のお姉さん結ちゃんの存在、彼女が教えてくれたこと、そして彼女が無くしたパールのピアスを同封した手紙が届いたこと、流石に頬とは言えキスされたことは言えなかったが、それなりに“親しく”していた結ちゃんが次に狙われること、封筒を受け取った直後、森本が近くに居たことも洗いざらい喋った。


「やっぱ森本が協力者だよ!」と梶田は肩をいからせて勢い込んだが、


「単なる偶然かもしれないし、決めつけるのは良くないよ」と、驚くことに雅の森本を“庇う”発言に梶田は面白く無さそうに唇を尖らせていた。


「でもその…森本??ってヤツ、雅を敵対視したたんだろ?動機は充分じゃね?」と楠 明良が腕を組み


「ちょっと引っかかるんだよね。森本さんのお姉さんが無くしたパールのピアスが何で同封されてたのか」と雅が腕を組み目を細めて


「それは結ちゃんも狙われてるってことじゃないのかな。まこのとこに来た千夏さんの写真と同様」


「そう考えるがの妥当だけど、姉妹の話が食い違ってることが気になる」と雅は親指の爪を噛んだ。


「森本姉は、森本がピアスを持って行ったと言い、そして森本は自分のピアスを無くしたと言い、確かにどっちが嘘を着いてるのか分からないな」


まこも顎に手を置き首を捻っていた。


確かにその食い違いは気になるところだが、僕は結ちゃんが嘘をついてると思えない。




< 744 / 841 >

この作品をシェア

pagetop